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池島
 新年度には人口激減

島離れ集中、高齢者が残る

 閉山を二日後に控えた十一月二十七日、池島で金子知事が島民との懇談会を開いた。「私たちに行く所はない。ここが古里。万一に備え救急用の船便を確保してほしい」。閉山後も島に残るお年寄りの訴えには切実感がこもっていた。

 県内では多くの離島で炭鉱が開発され、そして閉山した。十五年前に三菱高島砿が閉山した西彼高島町では、閉山後の地域振興策として、オートレース場の誘致やカジノ構想までも浮上した。当時、高島町議会議長だった豊田定光町長は「島の活性化のためなら何でもいいからもってこいという雰囲気だった」と振り返る。

 閉山から二年後、縫製会社や水産加工会社などを誘致したが、数年で撤退。豊田町長は「企業誘致が一番大変だった。今は景気が冷え込んでいるので、(池島は)さらに大変だろう」と話す。

 池島炭鉱を経営していた松島炭鉱(福岡市)は「池島への企業誘致に努力したい」としているが、具体策は示されていない。

炭鉱閉山で新たな一歩を踏み出す池島=西彼外海町
 高島町は閉山時、約五千五百人だった人口が、一年後には約二千百人と四割程度に減少している。一島一町で役場がある高島に比べ、外海町に属する一離島の池島は人口減少の度合いが激しいとみられる。

 池島の場合、学校に通う子どもたちが一区切りつく来年三月末ごろに島を離れる人が集中する見通し。新年度初めには人口が千人程度まで減っているのでないかという見方もある。

 島内で唯一の保育園、池島愛児園(真浦タキヨ園長、十九人)は十一月、保護者にアンケートをした。その結果、来年四月時点で確実に島に残るのは一人だけと分かり、愛児園を経営する社会福祉法人は本年度末で閉園することを決めた。池島の小、中学校でも来年三月末までに半数以上の児童、生徒が島を離れる。

 池島では、アジアの国々に技術を伝える炭鉱技術移転五カ年計画が来年四月から実施される予定で、約百人の従業員が島に残る。池島の人口は現在約二千五百人。外海町議の一人は「五カ年計画がある間は約五百人。計画が終われば百二十人程度になると予測している。最後に残るのはほとんどが高齢者だろう」と話す。炭鉱開発前の池島の人口は約三百五十人。今のままだと五年後には、その当時の三分の一程度になる見込みだ。

 池島で生まれ育った林義郎さん(75)言う。「島に残る年寄りも数十年もすればいなくなる。後は子孫たちがこの島のことをどう考えるかにかかっている」

 十一月二十五日に開かれた外海町の臨時町議会で、山道幸雄町長は池島の環境整備に力を入れることを明言した。炭鉱に生活のすべてを頼ってきた周囲四キロの孤島、池島は、炭鉱閉山で新たな一歩を踏み出さなければならない。

(この企画は報道部・永瀬徳豊、大瀬戸支局・松尾潤が担当しました)
(12月5日掲載)