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不利な立地、不況追い打ち
池島炭鉱が閉山した十一月二十九日。平沼赳夫経済産業相は「雇用対策と地域対策などを最大限に講じる」とコメントを発表し、県と外海町の地域振興計画を強力に支援する考えを表明した。
山道幸雄町長は閉山が公になった十月中旬以降、頻繁に上京、政府関係者に地域対策を訴えた。町長は先月上旬の上京後、町に帰ると「非常に温かい配慮を頂いた」と安どの表情を見せ、その後次々に生活基盤と地域振興の対策を表明した。
炭鉱の造水装置が来春で停止されるため最大の懸案だった池島の水道は、対岸から海底水道管を引き送水することで決着した。約七億円の事業費を国がほぼ負担し、年度内に着工、来年九月末にも完成する運びだ。
町は先月下旬、本年度から五年間で総額六十億円に上る地域振興計画を打ち出した。計画によると、二〇〇四年度までに公営住宅百十二戸を建設。炭鉱離職者の住宅を確保し人口流出を防ぐ。海と山に囲まれた豊かな自然や「キリシタンの里」と呼ばれる独特の歴史文化を生かし、観光施設を整備して交流人口の増加を図る。
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池島を望む「城の浦地区」。町立遠藤周作文学館(左)を拠点に物産館などを設置する計画だ=西彼外海町黒崎東出津郷
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資源エネルギー庁は、閉山に伴い通常は四年に分けて支給する産炭地域振興臨時交付金(外海町の場合五億七千万円)を、同町には一括交付する「特例」も示した。国のこうした対応には、炭鉱の存続をめぐり国策にほんろうされた小さな町に対する「配慮」が見え隠れする。
だが、県幹部は「いくら周辺環境を整備しても、肝心の働く場所がないと衰退は避けられない」と危ぐする。県は既に企業誘致へ動いているが、関係者は「不況の時世に加え、西の果てという立地条件。非常に厳しい」との見方が大勢だ。
池島炭鉱を経営してきた松島炭鉱(福岡市)の親会社、三井松島産業(同)の多河喜史社長は三日、雇用対策への協力を要請するため西彼大瀬戸町などを訪問。取材に対し「不況下でわが社も経営が厳しく、時期は明言できないが、西彼杵半島の振興には責任を持つ」と話し、工場進出などについてエネルギー庁などと調整していることを明らかにした。
三井松島産業は一九九九年夏、九州内のグループ十社を集約し、かつて松島炭鉱大島鉱があった西彼大島町に進出する方針を表明している。山道町長は「炭鉱とは協力し合って発展してきた。まずは池島進出を考えてほしい」とけん制するが、同社首脳は「池島は離島で条件は悪い」と消極的だ。
肝心の振興策は企業誘致という「核」を欠いたままで、町の未来はいまだに見えない。町役場は閉山提案以来、土日も深夜まで明かりがともる。「まだまだ、これからだ」。町幹部が自らを励ますように言った。
(12月4日掲載)
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