
|
<下>
|
具体案示し不安解消を
池島炭鉱(西彼外海町)閉山後の従業員が抱える最大の問題は再就職先。同炭鉱を経営する松島炭鉱(福岡市)の協力会社を含めた従業員は約千百人に上る。
「閉山日を迎えた時、千百人を上回る雇用を確保したい」。松島炭鉱の田代勉社長は、労使交渉が妥結した十五日の会見でこう語り、二十九日の閉山までに協力会社を含めた全従業員の雇用先を確保したい考えを示した。
同社やその親会社の三井松島産業(福岡市)が十月末現在で確保している雇用先は約七百二十人分。これには池島で実施する予定の国の炭鉱技術移転五カ年計画に従事する約百人も含まれている。
| |
池島炭鉱閉山現地支援センターの看板を掛ける辻原副知事(左)と東満敏・西彼外海町助役=外海町池島の外海総合福祉センター
|
松島炭鉱が十月十二日の閉山提案直後、関係社員に実施したアンケートでは、八割以上の約千人が県内での就職を希望している。同社が確保している雇用先のうち県内は同五カ年計画を含めて二百人程度。会社が用意している雇用先と従業員の希望にはずれがある。
田代社長は「県内枠を広げるのは大変な努力が必要だ」として、県内での雇用枠拡大は困難とみている。実際、九月の県内の有効求人倍率は〇・四二で全国で五番目の低さ。西彼杵半島を管轄する大瀬戸公共職業安定所管内では〇・二八とさらに低い。求人側と求職側が希望する職種などが合わないミスマッチも考えられる。
石炭労働組合協議会の安永嗣会長は会社の雇用対策について「具体的な場所や労働条件は提示されてなく、現段階では満足していない」と話す。
一方、閉山により基幹産業を失うことになる外海町。景気浮揚策として、松島炭鉱は親会社も含め企業誘致に動いているとはしているものの、具体的には何一つ決まっていないのが現状だ。
労使交渉で、水道、病院、浴場などは本年度末まで会社が運営することになった。十分とはいえないが、国や県、外海町などが閉山後の対策を検討、実施する時間ができた。
長崎労働局は十六日、再就職の支援をする対策本部を大瀬戸公共職業安定所に設置。県と外海町も同日、住民の相談などに応じる現地支援センターを池島に開設した。
「(炭鉱で)働いている人、家族のこれからの生活の不安は大きい。住宅、教育、福祉の問題に親身になって取り組んでほしい」。同センターの開所式で辻原俊博副知事は職員を前にあいさつした。池島閉山後の対策は始まったばかりだ。
(報道部・永瀬徳豊)
(11月17日掲載)
|
|

|
|