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子どもたちがいる限り 残された時間大切にしたい
池島の炭鉱住宅に近い体育施設。地元の卓球クラブ「浜口クラブ」の小、中学生が真剣な表情で練習に取り組んでいる。指導に当たっているのは炭鉱で働く浜口政利さん(52)。西彼外海町で生まれ育ち、池島炭鉱で働き始めて二十年。二年前に子どもの学業の都合で家族は長崎市に移り、現在は単身赴任している。
卓球に興味を持ったのは自分の子どもが始めたのがきっかけだった。経験はなかったが、県内の指導者に教わるなど努力を重ね、十年ほど前から地域の子どもたちを手ほどきするようになった。
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「子どもたちが島にいる間は指導を続けたい」と話す浜口さん=西彼外海町池島
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「強くなりたいと言う子を少しだけ手助けできたかな」。これまでに育てた中には、現在県内のトップレベルで活躍する高校生もいる。今のクラブメンバーも今月三、四日に福井県であった全国大会に出場した。
実績を挙げてきたが、炭鉱の閉山はクラブの存続にも暗い影を落とし始めた。小、中学生を持つ親はほとんどが四十歳代。新しい仕事を求めて島を出ることになる。しかも炭鉱住宅の使用期限も長くはない。「今まで一緒に頑張ってきた子どもたちが離れ離れになってしまう。寂しかですよ」
浜口さんは閉山後の仕事のことはまだ決めていない。しかしクラブのメンバーからは「これからも教えてほしい」と言われている。「子どもたちが島にいる間は指導を続けたい」。自分の生活より、残された時間で子どもたちを育て上げたいという気持ちの方が強い。
妻のハルミさん(47)はそんな夫の思いを察し、「仕事はゆっくり探せばいい。もう少し面倒を見てあげれば」と背中を押してくれた。
先日、かつて指導していた高校生から電話があった。浜口さんから卓球を教わった仲間で集まり、送別会をするので来てほしいとの誘いだった。
わが子のように接してきただけにうれしかった。振り返れば、子どもたちがいたからこそ単身赴任でも頑張れた。保護者も支えてくれた。「皆にお礼を言いたい。池島で一緒に頑張ってきた思い出を送別会で語り合うのが楽しみ。池島での経験を忘れないでほしいと言うつもりだ」
浜口さんは教え子たちと過ごせる最後の時間を大切にしたいと考えている。
(11月6日掲載)
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