下請け企業がお別れ式

 池島炭鉱の下請け企業で、坑道の掘進・補修など主に坑内作業を担当していた深見工業(本社外海町)は三十日朝、最後の仕事の後にお別れ式を開いた。集まった約七十人の従業員は酒を酌み交わし、涙を流して仲間との別れを惜しんだ。

 深見洋一社長(51)は「わが社も三十一年の歴史に幕を下ろす。社員の頑張りに報い退職金と慰労金に加えてボーナスも支払いたい。炭鉱側と今後も交渉する」とあいさつ。全員で乾杯した後、思い出話に花を咲かせた。

 勤続十八年の中野進さん(53)は「励まし合い、助け合った仲間たちと別れるのはつらい」としんみり。運搬員の浜正美さん(49)は「坑内で鉄骨を肩に担いで運び、重くて骨が折れそうだった。長続きしないと思ったが、みんなのおかげで二十年以上も頑張れた」としみじみ話した。

 前日から主婦仲間や夫の近藤秀美事務所長(51)と料理の準備をした恵子さん(51)は「きょうだいや子どものように思って世話をした社員もいる。職を失い不安だと思うが、今後も頑張ってほしい」と真っ赤な目をハンカチで押さえた。

 池島炭鉱の下請け・関連企業は二十二社で、大半が廃業の予定。従業員は計六百八十八人。現在数社が、炭鉱存続に協力して受け入れた請負金額約三割カットの本年度分返還や、従業員へのボーナス支給などをめぐり、炭鉱を経営する松島炭鉱(本社福岡市)と交渉している。


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