妥結・一問一答 社長と労組幹部

持ち出し原資は53億円 社長

 【福岡支社】池島炭鉱(西彼外海町)閉山問題の労使交渉の妥結を受けて、松島炭鉱の田代勉社長と松島炭鉱労組幹部らは十五日、福岡市の同社で記者会見。それぞれが妥結内容や今後の対策、ヤマへの思いなどを語った。

 ―会社が持ち出す原資は。

 田代社長 退職条件は会社提案では総額四十三億円だったのが、妥結では五十三億円になる。賃金復元分は総額で五億五千万円。

 ―閉山交付金はどのくらいになるのか。

 田代社長 まだ、資源エネルギー庁と最終の詰めをしているが、労務関係だけで三十三、四億円。総額で四十三億円くらいになると思う。

 ―炭鉱技術移転五カ年計画は実施するのか。

 田代社長 鉱員百人くらいでやっていきたい。正式に決まってはいないが、鉱員は関連会社の三井松島リソーシスが採用する方針。世界に誇れる技術を海外の人へ伝えて残していきたい。

 ―閉山後の企業誘致は。

 田代社長 働き掛けはしているが、こういう経済情勢の中で誘致できるのかどうか。希望としては池島で何かやりたいが、できないなら外海町や近隣の町に枠を拡大していきたい。

 ―協力会社の従業員の雇用は。

 田代社長 閉山を迎えたとき、協力会社社員も含めた千百人分を上回る雇用を確保したい。

 ―石炭産業に対する思いは。

 田代社長 戦後、日本の復興に貢献してきた産業がなくなっていくのは非常に残念で、寂しい。


雇用対策に全力 松島炭鉱労組幹部ら

 ―特別慰労金は二年間の賃金カット分の4%の額が支給されるが、どう評価するか。

 井手口二郎組合長代行 額については組合員それぞれの気持ちがあると思うが、今の状況からすれば精いっぱいやったと思う。

 ―閉山した三井三池鉱(福岡県大牟田市)の閉山条件と比べそん色ないか。

 安永嗣石炭労働組合協議会長 労使交渉ではないが、国への要請で石炭鉱業年金について勤続二十年になった人は全員年金に移行できるなど、異例の対応をしてくれた。三池閉山時にはない内容で、総合的に考えればそん色ない。

 ―完全勝利か。

 安永会長 そんな言葉は使いたくない。執行部案を満額取った達成感は多少あるが心は晴れない。これまで組織体でやってきたが、これからは組合員一人ひとりが第二の人生に向け決断しないといけない。むなしいが残された雇用対策に全力を挙げたい。

 ―約七百二十人の再雇用枠確保には満足しているか。

 安永会長 具体的な場所や労働条件は提示されてなく、現段階では満足していない。

 ―確認書は組合員の理解を得られると思うか。

 井手口組合長代行 代議員大会で承認したものをそのまま持ち帰るから異論はないと思う。


影響、最小限に 外海町長コメント

 山道幸雄外海町長は池島炭鉱閉山に向けて労使交渉が妥結したことについて十五日、「閉山に伴う影響を最小限にするため、国、県や関係機関と協調を図り、インフラ問題などの対策をはじめ、地域振興策に全力で取り組む。地域振興に関する要望を国などへ積極的に展開していきたい」とのコメントを発表した。


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